T.I.センシングは芝浦工業大学を中心に東北大学と日本工業大学とテラヘルツ波をより活用するための共同研究を行い、
ケーブルや電線、構造物内の鉄骨のほか、塗膜プラスチックの絶縁性などの非破壊検査や品質管理を行っていきます。
私たちの便利な生活を支えているインフラの一つにケーブルがあり、送電や配電ケーブルはもちろん、電車の架線、吊り橋と斜張橋の橋梁を支えているのもケーブルです。また、インフラはケーブルだけでなく、コンクリート内部にある鉄筋も構造物を支えています。テラヘルツ波にはケーブルや鉄筋の腐食だけでなく、ケーブル被覆材の絶縁性の劣化を非破壊検査できる特性があります。
現在、このようなケーブルは一定期間で交換されるか、破損してはじめて劣化が検知されるのが現状です。テラヘルツ波による非破壊検査や品質検査は安全なインフラで安心・快適な生活を送るために必要不可欠な技術です。
放射光は、電子を光速近くまで加速して電磁石で曲げた際に放射される光(X線)で、放射光を利用して物質表面の性質等を調べることができ、世界最先端の放射光施設である「3GeV高輝度放射光施設NanoTerasu(ナノテラス)」を芝浦工大でも利用しています。
太陽光より10億倍明るいためナノ(10億分の1)メートルレベルで物質を鮮明に可視化できるため、テラヘルツを利用した結晶生成の過程を観察しています。
ドイツの物理学者であったハインリヒ・ルドルフ・ヘルツ博士が1892年、ヘルツは陰極線が極めて薄い金属箔(アルミニウム箔など)を透過することができることを実験で示し、特にミリ波の電磁波発生でもその発生は金属表面の材質や形状、さらに汚れや組成の影響を受けるものであることを証明してから130年ほど経過した現代において、我々は逆にミリ波が受ける影響から金属の表面状態を知ることを非破壊検査の基盤としています。
Tadao Tanabe
芝浦工業大学
デザイン工学部
教授
Hitoshi Hamasaki
芝浦工業大学
建築学部
教授
Ryohei Kiyoshi
株式会社
計測技術サービス
代表取締役
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